航空会社における事業リスクとは?パンデミックリスクへの早期対応が必要。

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2020年、新型コロナウィルス感染が拡大し、企業によっては中国への渡航禁止や不要不急の出張の回避、在宅勤務の推奨等がなされていますね。
航空会社においては、中国路線の運休や減便が相次いでおり、他国であっても旅客・旅行者の出張・旅行控えも重なり、大打撃が予想されます。

そんな航空会社の対応は?

航空会社は耐えられるの?倒産しないの?

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航空会社の事業リスクとは?

ANAグループを例にとってみましょう。
投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項として、 「有価証券報告書」に以下のように記載されています。 (一部抜粋)

景気が低迷するリスク

航空産業は、景気動向の影響を受けやすい業界であり、国内外の景気が低迷すると、個人消費の落ち込みや企業収益の悪化による航空需要の低下を引き起こす可能性があります。
なお、国際線(旅客・貨物)事業については、中国やその他アジア・北米を中心とした海外市場への依存度が高いため、当該地域の経済状況により、輸送人数・輸送重量の減少及び輸送単価の下落といった影響を受ける可能性があります。

原油価格変動によるリスク

航空機燃料は原油精製による製品のため、その価格は原油価格に連動する傾向があります。
産油国での政情不安、新興国の急激な経済成長に伴う原油需要の増加、石油備蓄量または埋蔵量の低下、原油への投機的な投資行動、自然災害等の要因により原油価格が当社グループの予測を超えて変動した場合には、当社グループの経営に以下のような影響を及ぼす可能性があります。

新型インフルエンザなどの感染症にかかわるリスク

新型インフルエンザをはじめ重大な感染症が発生・蔓延した場合の被害増大は、国際線のみならず全事業の需要減退リスクになり得ます。
風評による顧客の航空利用の意欲の低下を含め、感染拡大や被害増大により、国内線および国際線の利用客数が激減し、ANAグループの経営に影響を及ぼす可能性があります。
また、感染力が強い新型インフルエンザなどが流行し、予想を超える社員・委託先での罹患者の大量発生や毒性の変化が生じて強毒化した場合などは、事業継続面で影響を及ぼす可能性があります。

今回の新型コロナウィルス関する「パンデミックリスク」は、上記「新型インフルエンザなどの感染症にかかわるリスク」の内容と同等、経営に影響を及ぼすと共に、事業継続面までも波及する可能性があることを航空会社としても認識しているものとなりますが、一筋縄では予想ができないものですよね。

常にリスクを想定し、キャッシュフローを意識、改善を行うことで有事の際に耐えられるよう備え、かつ、顕在化時の対応を迅速に行っています。

パンデミック顕在化後の対応は?

払い戻しや搭乗日の変更はさることながら、チャーター便を飛ばし帰国を支援するニュースを見たことがあると思いますが、それ以外に、新型コロナウィルス感染被害を抑えるため、日本政府、各国と連携を取りながら運航計画の見直しを行っています。
中国本土・香港便への便数を運休、ないし1日1往復にしたりと、グローバル公共交通機関としての使命を果たしていきます。

また、航空会社は、「貨物」も取り扱っており、中国向けのマスク・防護服・除菌シートなどの「緊急支援物資」の郵便などが旅客便の大量運休によって、通常通りに運べないことから貨物機の臨時便を出すことも行っています。

航空会社は倒産しないの?

航空会社の収益は、ボーイングやエアバスという航空機メーカーから機材を購入し、その航空機に旅客・旅行者が乗ってくれることで売上が立つ構造です。
路線の運休や減便が続くということは、売上は大打撃原価は「機材費」に加え、運航乗務員(パイロット)/客室乗務員(CA)/空港スタッフ等の「人件費」も出ていくことになります。

そのため、長引けば長引くほど、経営へのダメージは大きくなってしまう業界であり、売上が仮にゼロだった場合、経営を維持するためには、預貯金を切り崩すか、追加の借入れを行う必要があります。
そのため、新型コロナウイルスの流行が長期化してしまうと、資金繰りに行き詰まって倒産する航空会社が出てきてもおかしくはない状況ではあります。
倒産しないためにも、常にリスクに備え、キャッシュフローを意識し、改善していく業界と捉えても良いでしょう。

わたしたちにできることは?

パンデミックを拡大させないためには、Aさんから小集団へ、小集団からさらに大集団へと波及することを国を跨ぎ止めること、つまり、医療機関のキャパシティを超えた感染被害を回避し、早期ウィルス撲滅に寄与することです。

われわれが日常で実施できることは、

・不要不急の外出を控える
・飛行機、電車、タクシー、バスを極力控える
・マスクをつける
・手洗い、うがいを忘れず行う
・アルコール消毒をする
・罹患した可能性があれば、まずは病院に行かず電話相談

一人一人の行動が早期解消に繋がり、感染者がいなくなれば、われわれの旅行やビジネスに欠かせない航空会社の運航が安定的になされるでしょう。

まとめ

航空会社は、景気、原油、感染症などの外的要因に非常に左右される業界です。
国の経済にも影響を与えると共に自社の倒産危機に直面することがありますが、われわれ一人一人の行動で影響を最小限に抑えることができます。
不要不急の外出の取りやめやマスクの着用、手洗い・うがいを徹底していきましょう。

参考文献

中国路線、ANA・JALで現在飛んでいる路線はどこ?運休影響で貨物スペースが足りず貨物機臨時便を運航

新型コロナ、「全便運休」なら航空会社は何カ月で倒産するのか

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