【転職】人生100年時代を生き抜くために市場価値を高めよう!/独立系SIer営業からの転職

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企業勤めをしていれば、誰しも自身の立ち位置や将来について考える機会があると思います。
評価や競争に対する不満、知識・スキルが身についているかどうかの不安を感じるなど様々です。
今回、独立系SIerに勤め、外資系のクラウドコンピューティング企業に転職した際の実体験から、市場価値(強み・弱み・スキル等)と転職先候補についてご紹介致します。

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本記事を読んで頂きたい方

☑独立系SIer営業のスキルを言語化したい方
☑市場価値を把握したい方
☑外資IT企業(クラウドコンピューティング)へ転職を考えている方

SIer(エスアイアー)とは

System Integrator(システム・インテグレーター)、つまりシステム開発を請け負う会社です。
分類は大きく4つに分かれ、「独立系SIer」は一番色が無く、良い意味でも悪い意味でも何でも出来るといった特色があります。
私は、独立系SIerの営業職を担い、グループマネージャーまでの経験があります。以降、その経験を活かし、独立系SIer営業についてわかりやすく解説していきます。

<SI企業分類>

①メーカ系
 PC、サーバ、ストレージなどのハードウェアを作っている企業の一機能がSI。
 富士通、NEC、日立が代表格。
②ユーザ系
 NTTや伊藤忠などの親会社が存在するSI企業。
 NTTデータ、CTC(伊藤忠テクノソリューションズ)などが代表格。
③独立系
 親会社が存在せず、良くも悪くも何でも販売できる。
 大塚商会、SCSK、日本ユニシスなどが代表格。

④コンサル系
 ITコンサルの会社だがSIも請け負う企業。
 アクセンチュア、野村総合研究所などが代表格。

独立系SIer営業とは

簡潔に申し上げますと、システムに関連するものはなんでも売れる営業のことです。

システム開発を請け負う会社ではないの?

正解です。但し、システム開発を請け負うだけではなく、付随するものを単品でも販売できます。

<なんでも売れるIT営業、それが独立系SIer営業だ>
例えば、日立製のサーバ、富士通製のストレージ、Cisco製のネットワーク機器などのハードウェアから、オラクルデータベースなどの各種ソフトウェア製品の販売、データセンターのファシリティなど売れないものはないと言っても過言ではないほど、なんでも提案できます。
故に、特色が一番出るのはお客様ごとのシステム開発であり、真っ先にご提案するものはシステム開発(請負)や支援作業(準委任)となります。

ご参考:オラクルデータベースの見積の方法はこちら

独立系SIer営業の強み

<幅広く顧客ニーズを拾え、業務知識も深まる>
良くも悪くもなんでも提案できるため、特定サービス・特定製品に偏ったアプローチはあまりなく、幅広くお客様のご要望やニーズ、課題を把握することができ、提案先の膨らましが出来ます。
つまり、お客様の業務を学びながら必要なものをご提案します。これはとってもおススメです。

<ステークホルダーを巻き込む力がつく>
大規模なシステム開発案件を請け負う場合は、お客様の相対や営業上司のみならず、自社のシステムエンジニアや品質管理部門、会計、法務部門など、非常に沢山のステークホルダーを巻き込む必要があります。
決裁手続きが煩わしいというデメリットもあるのですが、こういった複数部門・複数の方々を巻き込むことは貴重な経験です。

<戦略立案やアカウントプランを作る力がつく>
入社5年程度は目の前の与えられた仕事をこなすので精一杯かと思いますが、独り立ちをし立場が上がるにつれ、顧客の中期経営計画や生の声、業界動向を見据えながらも、自社の方向性を考慮した戦略立案・アカウントプランを作る機会が増えていきます。
面で営業活動を実施してく醍醐味もあり、独立系SIerの良い所だと思います。

独立系SIer営業の弱み

<新規領域深耕よりは防衛メインでじわじわと深耕>
既存の自社領域以外は「Why(=なぜ優れてるのか)」が弱く、特に新規領域においては顕著です。
理由は、独立系SIerは製品の組み合わせが自由である一方、メーカー直の方が安価だったり競合他社も同じものを担ぐことができるため、差別化がし辛く、最後は価格勝負になっていきます。
そのため、ジリ貧にもなり利益率も低いため、中々新規領域を獲得するケースは少なく、既存領域のアセットを上手に組み合わせてじわじわと領域深耕していく選択をとる傾向にあります。
そちらの方が利益率高めですしね。

<営業力を計りにくい>
人件費の塊であるシステムエンジニアを動かすシステム開発が種なので、彼らの力量に左右される場面が多いです。
そのため、「自分で案件を獲得したぞ」という想いが必要な方は物足りない気持ちになると思います。

<経営層やユーザへの提案活動は殆どできない>
SIerの大半がお客様のIT企画部門のアンダーで働きます。
そのため、提案段階の内容確認でユーザが参加してくることはあっても、提案先はIT企画部門であり、頑張ってもCIOまでが限界です。
トップラインを延ばすようなマーケティング提案、業務プロセスを改革するようなDX提案はやりたいと思うものですが、そのためには経営者やユーザにダイレクトにアプローチする必要があります。
しかし、CIOアンダーのSIerにとってハードルは高く、お会いできる機会も年末年始の挨拶程度でほぼ皆無と思って頂いて良いと思います。

<クラウドサービスは殆ど買って貰えない>
お客様によっては、標準のクラウドサービスを導入して課題解決や効率化を図れる機会があります。
SIerは何でも売れますから、営業マンとしてはお客様に貢献したいわけでクラウドサービス販売も出来ますが、例えばAWSを売ろうにもAWSの定価が原価になってしまうので、右から左に流すだけでも販売価格は高くなってしまいます。
市場の定価で販売しても良いのですが、おのずと赤字になってしまうので実施しません。そのためお客様のメリットはなく、置いてけぼりになるケースがあります。
自社でサービス型のソリューションを創るという手もありますが、中々、高額な人件費が付きまとうので、良質で適正価格のクラウドサービスを作れないのが正直なところです。
この点、GAFAM+Salesforceなどの外資IT企業は強く、日本市場でもニーズが高いという理由になります。

独立系SIer営業で身につくスキル・力

私は独立系SIer営業に満12年在籍し、身についたと感じるスキルになります。
勿論「忍耐力」もつきますが、この中で外資IT企業への転職に有利なスキルは~⑤、です。

<身につくスキル・力>

①アカウントプランの立案
②ステークホルダーの整理
③チームビルディング
④ステークホルダーの巻き込み力
⑤提案骨子、システム概要を書く力

⑥プロダクト(ハードウェア、ソフトウェアなど)の名前と用途
⑦ソフトウェアライセンスポリシーと見積る力
⑧コスト交渉力
⑨プロジェクトマネジメント力
⑩開発プロセス(W/F、アジャイルなど)
⑪仕様変更調整力
⑫ファシリテーション力
⑬ライトパーソンの発見(ITのみ)
⑭決裁、根回し力
⑮エスカレーション力


独立系SIer営業で見につかないスキル・力

B2Bシステムの開発が主となり、かつCIOまでの提案が主となる為、範囲を超えるところはおのずとスキル・力が不足していく傾向になります。
その中でもスキル・力として保持したいところは、①~③、⑤、⑨重要と考えます。

<身につかないスキル・力>

①「LoB(Line of Business)」への提案力
②営業マンそのものの自力(SEに頼りがち)
③予算達成への貪欲さ

④ユーザに合うクラウドサービス販売
⑤新規アカウント発掘力(既存案件の深耕が多)
⑥B2C案件推進力
⑦構想・企画スキル
⑧マーケティングスキル
⑨フロント・WEB・マーケティング領域提案力
⑩トップダウンアプローチ

独立系SIer営業のキャリアプラン

一般的な日本企業の場合、マネジメントラインを目指すキャリアプランが描きやすいです。私が勤めていた企業も同様でした。
マネジメントが不向きと感じる方は、プロフェッショナルラインを目指すことになりますが、「この人に頼ればなんでも解決して貰える!」といった高いスキルが必要なため「狭き門」である印象が強く、常に新しいものに触れながら推進していかねば、周囲(=向上心の無い同僚)とのギャップに打ちひしがれ、モチベーションを保ちにくいものです。

<キャリアプランのイメージ>

・1~3年:  OJT制度を活用しながら仕事に慣れる→ビジネスマン/ビジネスウーマンとしての一歩
・4~7年:  ビジネスマン/ビジネスウーマンとして独り立ち
・8~10年: チームリーダー/係長として少人数の部下と共にビジネスを推進
・11年~:  課長→部長→本部長へ段階的に出世

上記はキャリアプランのイメージですが、キャリア形成と評価、給与・報酬は密接にリンクしてあるべきと考えます。
どうしても日本企業の典型は相対評価にならざるを得ないため、1年〜3年で改善されなければ転職を考えるべきです。

人生は100年時代へ突入、もう終身雇用スタイルのキャリアは旧い

独立系SIer営業は、お客様の中期経営計画を紐解き、ニーズ・課題のヒアリングを行い、必要な打ち手までを考察、社内外のソリューション提案を幅広くぶつけられることから、視座高く視野の広い提案力が身につきます。
また、一人で完結せず、営業組織、システムエンジニア、会計、法務など関係者を巻き込む力がつきます。
然しながら、既存顧客に導入済みのシステム領域が中心なため、視座は高いものの、LOBに直接コンタクトする機会は殆どなく、CIOやIT企画部門のフィルターを通して情報を拾うため、ユーザサイドの施策は知れるものの、その施策を変えたり新しい施策を埋め込んだりはあまり期待できません。
そのため、営業力としては片手落ち、もしくは、不足となる可能性が高いです。
今後、人生100年時代を生き抜くためにも、転職を通してでも「個のスキル」を高めていく努力が必要不可欠な時代に突入したことを認めざる得ません。

自分の可能性を高めたくなったら~転職市場を活用しよう~

転職市場を活用することで、現時点の立ち位置を把握することができ、キャリアアップのヒントを得ることが出来ます。
エージェントと今後のキャリアと適した求人を議論してみて下さい。
議論の結果、無理に転職する必要もなく、今の会社で新たな視座・視野・視点を持ち働き続けることも良いことだと思います。
ぜひ、一度、立ち止まり、長い期間で自分自身の個の力を分析することに使っていただければ幸いです。

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