2020【COVID-19】アフターコロナ・ポストコロナの世界はどうなる~中国の動向サマリ~

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2020年5月7日現在、未だに新型コロナウィルスが猛威をふるっている中、中国が経済活動を再開し始めています。
アフターコロナ・ポストコロナを考える上で、中国の動向は大変参考になるものがあります。
各種記事を参考に、現状、見通しの整理をしていきますので、サマリとしてご活用なさって下さい。
まず、中国が経済活動を再開した際の「条件」から説明していきます。

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事業再開の3つの条件

3つの条件とは、「①検温」、「②登録」、「③グリーンコード」

 ・②→身分証明書番号と携帯電話番号の記録
 ・③→各人の健康状態などをITを活用して管理するシステム

現在の中国の状況は以下の通りとなっています。

【①検温】
オフィスや工場内に入るときには、人々は常に非接触型の体温計で検温されます。外部からオフィスを訪れる人はもちろん、いつもオフィスに通う人も同様です。さらに言うと、買い物でスーパーを訪れるときも、自宅のマンションに戻るときも入り口で検温を済まさなければ中に入れません。

【②登録】
身分証明書番号と携帯電話番号の記録が義務付けられていることです。これらの情報に加えて、第3の条件であるグリーンコードを見せないと、検温をパスしてもオフィスにもスーパーにも、そして自宅にも入れないのです。

【③グリーンコード】
各人の健康状態などをITを活用して管理するシステム。スマホ画面に氏名とともに表示されるQRコードが「緑」ならば安全であることを示します。検温で平熱の範囲を超えた、居住する省市以外の他省市から入った、海外から帰国した、2週間の隔離を終えたなどの記録を基に「緑」であるか否かを判定する仕組みです。

コロナ後の世界、世界のリーディング市場・中国に熱視線
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00023/043000165/

消費の状況

外出自粛・外出制限に伴い大打撃のあった業界を抜粋します。

<飲食>
 ・以前のように満席になるお店はほとんどない
 ・引き続き2次感染を警戒する傾向あり。

北京市中心部にある北京ダック店。約30卓あるテーブルのうち、昼は10卓しか埋まらない。夜はさらに人が少ない。「新型コロナウイルスがはやる前、いつも満員だった」と20歳代の従業員・陳雨さんは話す。

「外需の崩壊とコロナの第2波」 中国経済、復活はいつ


<旅行>
 ・人と人との距離が確保できない密集が大規模に生じないようにするための政府からの指導
 ・人々自身が感染リスクへの警戒心を解いていない
 ・回復が遅れている

多くの観光名所の再開、ホテルの占有率向上、公共交通機関の利用増加など、一部の兆候は需要増加の可能性を示唆している。
また、乗客の人口統計を詳しく調べたところ、現在の顧客ベースは大きく異なり、若者や低予算の旅行者が圧倒的に多いことがわかる。期間が短い(1~2週間)のが一般的。 多くの乗客は国内便を予約し、海外旅行はまだ復帰を待っている状況


Coronavirus: Airlines brace for severe turbulence

上記の通り、今後も不振が続くのは飲食、旅行に加え、スポーツ、映画なども対象。
逆に、良い分野は電子商取引やフードデリバリーとなっている。
人が集まるサービスは厳しい一方、ステイホームとなっている今、家の暮らしを充実するサービスの需要が高い。

人が集まるサービスは厳しいが、家での暮らしを充実させるサービスは需要がある。
家電の分野で空気清浄機、調理器具、アイロンなどがよく売れているそうです。

コロナ後の世界、世界のリーディング市場・中国に熱視線
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00023/043000165/

GDPの状況とエコノミスト予想

米も少しずつ回復準備を進めていますが、欧米諸国の回復が夏場以降にずれ込む傾向のため、中国が下期の世界経済を引っ張る存在になると予想されています。

【GDPの状況とエコノミスト予想】
1~3月期が6.8%減の後、4~6月期は2~3%増で、上期は2%減前後といったところ。下期の成長率は6%程度。欧米諸国の回復は夏場以降にずれ込むと見られるため、中国が下期の世界経済を引っ張る存在になると予想されます。
以上を総合すると通年の成長率は2%程度――というのが中国エコノミストの平均的な見通しです。

コロナ後の世界、世界のリーディング市場・中国に熱視線
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00023/04300016

外需の状況

・各国が足並みを揃え協調しあわない限り、外需は期待できない。
・欧米も輸入を増やす状況になく、自国内の資源に頼るという傾向がある。

感染が世界に広がるなかで外需も見通せず、輸出製品をつくる工場の苦境が予想されている。

「外需の崩壊とコロナの第2波」 中国経済、復活はいつ

投資の状況

従来型インフラ向けの公共投資に加えて、新型インフラ向けに力を入れる姿勢を示しています。
 ・従来型インフラ→高速鉄道、高速道路、港湾設備、都市開発、住宅投資など。
 ・新型インフラ→「新基建」

新型インフラ建設「新基建」

政府主導の公共投資や国有企業を通じたインフラ投資だけではなく、民間企業主導によるインフラ投資を促すための補助金を増大させています。デジタルトランスフォーメーションが加速的に進みます。

次世代通信システム5G、データセンター、AI(人工知能)、産業用インターネット、超高圧送電網、都市間高速鉄道と大都市周辺の普通列車網、新エネルギー自動車充電施設の7分野が対象。
いずれもIT(情報通信)化とAI導入、デジタル化をさらに進めるためのまさに基盤となる分野です。

コロナ後の世界、世界のリーディング市場・中国に熱視線
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00023/04300016

まとめ

経済活動再開を開始した中国の事案は非常に興味深い内容であり、アフターコロナ・ポストコロナというよりは、「ウィズコロナ」スタイルと考えます。
特に、「登録」と「グリーンコード」は、従来の考え方では「監視社会」で抵抗者が多く出る傾向がありますが、コロナウィルスの圧倒的脅威の前では、寧ろそうすべきと受け容れざるを得ないものと推察します。
デジタルトランスフォーメーション(DX)を実施し、全世界が平等に「可視化」された世界が待っている、そんな世界を模索する必要があると考えます。



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