アフリカのことわざで、「早く行きたければ、ひとりで行け」、「遠くまで行きたければ、みんなで行け」というものがあります。
企業に勤めていると、ひとりで行く(小さなビジネス)よりも、「みんなで行く(大きなビジネス)」を追いたくなるものです。
そのために、リーダーは、メンバーの「環境」を用意し、メンバーを「信頼」し、メンバーと「苦楽」を共にできる人でないといけません。
「なんだ、当たり前じゃないか!」と思う方もいらっしゃるでしょうが、その「先入観」を捨てることが「良き導けるリーダー」です。
私自身の職務としての「チームリーダー経験」とバスケットボール部の「部長経験」から、強いチームになるためのたった「10個」のことをお伝えします。
以下に該当する方は、是非実践してみてください。
・チームメンバーとの「付き合い方」に悩まれている方
・チームリーダーなりたての方
・チームリーダーを目指す方
・チーム運営の改善を考える方
・コミュニケーション向上を図りたい方
①みんな違ってみんないい〜先入観を捨てよう〜
一番大事なことは、「価値観」の「物差し」が、リーダーである「自分」とは異なることです。
また、今までの「経験値」も異なるわけですから、もはや、「みんな違う」のが当たり前です。
でも、大抵の人は、「自分」の「物差し」を押し付けて、
・「予定された仕事があるのになんで有休消化を取るんだ!」
・「なんで昨日中に終わっていないんだ!生産性低いぞ!」
・「客先コンタクトが甘いぞ!」
などなど、多少メンバーが意見をしたとしても、言い切ってしまうシーンがあったり、体験したことがありますよね。
これはほんの一例ですが、その「先入観」をリーダー自ら「捨てる」ところから始めましょう。
コツは、「一呼吸」おくこと、それから始めてみましょう。
②チームメンバーの「人となり」を知る
「先入観」を捨てたら、チームメンバーの「人となり」を知ることをやっていきましょう。
仕事のこともプライベートなことも、その「人」をつくる要素を、なんでも良いから「聴き手」になって聴いてみましょう。
敢えて「聞く」ではなく「聴く」、注意深く耳を傾けて、その「人」を知りたいという想いを大切に、何気ない「プライベート」な会話メインで全然大丈夫です。
休日何していたの〜?
実は韓国に行ってきたんです。
いいね〜!お友達と?
そうなんですよ。
会社の同期と企画して行ってきました。
会社の同期だと気を遣わなくていいし、
色々なところアクティブに回されそうだね!
どのあたり行ってきたの〜?
焼肉・キムチを食べたり、明洞でコスメを
買ったりしてきました!
リーズナブルだし良いですよね。
上記の「対話」を通し、「傾聴」することで些細な話題からより多くの情報を引き出し、その「人」を形作る要素を知っていきましょう。
③「足る」を知る・受容する
誰しもが「完璧」ではありません。
チームメンバーとの対話や日々の行動から、自身の「足る」を知ることが必要不可欠です。
特に、年齢が5歳以上離れている場合は、「価値観」のギャップは大きいですよね。
ギャップが大きいのには理由があります。
「ミレニアル世代」という言葉をご存知でしょうか。
1980年代から2000年前後に生まれ、生まれた時から「インターネット」が当たり前、デジタル化された生活に慣れ親しんでいる「デジタルネイティブ」世代です。
「Z世代」という言葉も最近流行りだしましたが、1990年代後半から2000年生まれの世代のことです。
彼らは、常日頃、インターネットやTwitter、Facebook、Instagram等のSNSに触れ、大量の情報を仕入れることで、自分らしい生活、働き方を考えています。
「終身雇用」で「企業に尽くすスタイル」だけを持っていると、噛みあわなくなりますよね。
じゃあ、どうすればいいのさ…?
多様な働き方・考え方を受容してください!
企業によっては、「副業解禁」を公にできていないかもしれませんが、「Youtuber」を始めとする副業収入者は増えています。
また、フレックスやテレワークの推進など、柔軟な働き方を受け容れる必要もあります。
もちろん仕事ですから、「成果を出すこと」が大前提ではありますが、上記の様に自分に「足りないこと知る」、そして、「受容」することが大切なことです。
④「飲みニケーション」をする
少しずつ、お互いの距離感が近づいてきたところで、チームメンバーと「飲みニケーション」をしましょう。
「飲みニケーション」とは、「飲み」×「コミュニケーション」から生まれた造語です。
「誘い文句」は「チーム懇親会」でお誘いしましょう!
私が過去行った事があるお店で「オススメ」を3件程ピックしましたのでご紹介します。
◆ワインバル Rough
「渋谷」にある確かな実力を持つ「ワインバル」。
席数は、30席程ありますが、テーブル席は、3つあります(20席程度)。
夫婦で営業されており、「ローストビーフ」と「琥珀エビス(ビール)/赤ワイン」の組み合わせがお勧め。
個室/半個室はありませんが、「味」と「雰囲気」が抜群、個人的には二桁通っています。
分煙もされています。
◆WINE&GRILL 京橋テラス
「京橋」にある「ステーキ・ハンバーグ」屋さん。
席数は、50席程あり、個室もあります。
「肉塊(にくかい)グリル」がお勧めです。
「ワインバル Rough」同様、「味」と「雰囲気」が抜群です。
分煙もされています。
◆BAGUS
言わずと知れた「エンターテイメント空間」を提供するパイオニア。
「ダーツ」、「卓球」、「シミュレーションゴルフ」、「カラオケ」等のエンターテイメントを利用できます。
勿論、お酒も食事も充実しております。
例えば、「ダーツ」であれば、複数チームに分けて競い合うのもいいですね。
盛り上がりますし、「距離感」はさらに縮まり、メンバーの人柄が尖ります。
⑤共通の目標を立てる
メンバーの人柄が把握できた時点で、「共通の目標」を立てましょう。
「個性」を最大限活用し、且つ、少し「背伸び」をすれば届く目標を設定する様に心がけて下さい。
*第一印象で過度な期待をかけ、離れていってしまった経験のある方はなおさらですね。
*今までお話ししてきた①~④が不十分であり、メンバーの「人柄」が把握できていなかったことが問題です。
お互いが「合意」した目標を設定すると、「あれどうなった?」と「代名詞」で「意思疎通」できるようになります。
「年度」、「月次」、「週次」に捕らわれず、日々、目標の達成状況(進捗)を、定期的に共有できるようにしましょう。
⑥日々のコミュニケーション環境を作る
共通の目標を立てても、そのまま放置してしまうと、築いた「絆」も脆く崩れ去ってしまうことでしょう。
対策として、定期的な「コミュニケーション」を欠かさず行い、「本音」を聴くようにしましょう。
「効果テキメン」の対策を紹介します。
朝会30分
始業から30分間、「朝会」と称し、「当日やること」を各自説明します。
「たったこれだけ」です。
時間が余ると、個別に案件の相談や私からの連絡事項・お願い事を話しますが、基本はこれだけです。
毎日顔を会わせるからか、その時間に頭の整理ができるからか、メリットについてはメンバーそれぞれですが、嫌がらずむしろ積極的に参加してくれます。
チャット
とあるメンバーから、E-MAILだと「〇〇さん、お疲れ様です。~、以上。」と打つ時間が勿体ない、どうにかならないかと言ってました。
「なるほどな。」と思い、そのメンバーに対応策を伺ってみたところ、「チャット」でシンプルにできると良いという意見がありました。
即、試験的に「チャット」で各自とのやりとり(ホウ・レン・ソウ)を実施する様にすることで、仕事の生産性向上も、雑談によるコミュニケーション強化も実現できました。
⑦失敗を怒らず未来を見る
人間なので、必ず失敗は経験します。
失敗したとき、原因分析を行うと思いますが、ずっと「なぜなぜ」言ってませんか?
「なぜなぜ」を突き詰めると、最終的には「人」、つまり個人を刺すことになります。
ちなみに、そうなったとき、「あなたは怒りますか?」
怒ってはだめです、良いことは一つもありません。
メンバーは自信を失うし、ネガティブになり、もう「SLAM DUNK」でいうところの4ファウルした状態の「桜木花道」で、全く良さが消えていってしまいますし、関係性も変に意識して「ぎくしゃく」してしまいます。
怒らずに、ある程度、原因が分かったら、未来に目を向けましょう。
もう起こったことは仕方ありません。
未来に同じことが起こらない様に、もっとより良いものを達成できる様に切り替えて、お互い納得いくアウトプットを出していきましょう。
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⑧やってみせる
やったことがない仕事は誰しもあります。
ごく稀に教えてもいないのに、独学とセンスで乗り切れる人もいますが、殆どが体験・経験をベースとした成長をします。
「メンバーにはハードルが高いかな?」と思ったら、まずは、リーダーが引き取って、「やって見せる」ことをしていきましょう。
連合艦隊司令長官「山本五十六」さんも言っています。
やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ
まず、「やってみせましょう」。
⑨背中を押してあげる
やってみせた後の「初めて」の「一人」でのお客様訪問、初めてのプレゼンテーション、初めてのファシリテーション等、不安になるメンバーもいると思います。
その時は、自信をもって、背中を押してあげましょう。
・入念に準備してたから大丈夫だよ
・想定問答集持ってるから大丈夫だよ
・何かあったら持ち帰っておいで
そんな言葉をかけてあげましょう。
きっと戻ってきたらよい笑顔のはずです。
また、お客様から「お褒めのお言葉」を貰った際は、是非メンバーに「フィードバック」してあげましょう。
⑩誰よりも味方になる
どんな時も「いち早く相談」にのり、失敗をしても誰よりも「守ってあげる」、そんな当たり前のことを「当たり前の様」にしてあげましょう。
上司を巻き込んで打合せをするシーンで、メンバーが資料を説明し、「質問を受ける」ことはあります。
その際に、上司側に回って「レビュアー」にならないこと、あくまでメンバーと「同じ目線」で回答する様にしましょう。
それが「成功」の秘訣です。
まとめ
「先入観」を捨て、チームメンバーの「人となり」を知り、「共通の目標」を持ち、日々「支えあう」ことが、「強いチーム」です。
強いチームになるためのたった「10個」のこと、是非実践してみて下さい。
参考図書が必要な方は、以下ご参考までにご紹介します。
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