前回記事「【SIer】キャリアを振り返る〜営業編-3ヶ年の業務を知ろう〜」では、営業職「3ヶ年」のキャリアをご紹介しました。
今回は、「ステップアップ」する上での新たな「業務」、「キャリア」をご紹介します。
以下に該当する方は参考になると思いますので、是非最後までお読み下さい。
■読者想定
・SIer営業職の業務にご興味ある方
・SIer営業職の働き方にご興味ある方
・SIer営業職の身につく知識・スキルにご興味ある方
・「システムエンジニア」職から「営業職」へ異動を考えている方
・営業職4年目から6年目程の方
・営業職のモチベーションが低下気味の方
・ステップアップに悩まれている方
(再掲)営業3ヶ年で身につけるべき知識・スキル
前回記事でご紹介しました「営業3ヶ年で身につけるべき知識・スキル」を再掲します。
この知識・スキルをベースとして「ステップアップ」が必要になります。
■営業3ヶ年で身につけるべき知識・スキル
・顧客業界動向、顧客業務内容、競合
・インフラ(サーバ、ストレージなど)知識
・開発プロセスに関する知識
・顧客ニーズヒアリングスキル
・解決ソリューション検討スキル
・雑談スキル・提案書(PowerPoint)作成スキル
・ライセンスポリシー知識・採算シミュレーションスキル
・SE、上司、顧客巻き込みスキル
・ファシリテーションスキル
・予算計画と実績・見通し集計スキル
ステップアップをしよう
3ヶ年経過すると、当たり前のように「RFI(情報提供依頼書)」、「RFP(提案依頼書)」をお客様に貰える様になり、「提案書作成」も「社内外の巻き込み力」も身についていることでしょう。
しかし、「勝算」はどうでしょう。
さすがに全勝は稀、勝算を高める活動ができる営業になることが「ステップアップ」の「第一歩」です。
勝算は大体わかる
「RFI」もしくは「RFP」を受領した時点で、勝算は大体分かります。
以下、質問させてください。
■勝算把握のための質問
・①「競合他社」で「RFI/RFP」を受領している会社は何社いますか?
・②「RFI/RFP」受領前の顧客ニーズヒアリングと同様の内容になっていますか?
・③「RFI/RFP」を共同作成しましたか?
もうお分かりかと思いますが、③に近いほど、「勝算」が「高い」です。
なぜならば、「競合他社」に先んじて、以下を達成しているからです。
■競合他社より優っていること
・顧客ニーズを「システム化検討要素」に落とし込んでいる
・自社のソリューションの「優位性」を開発条件にしている
・「スケジュール」を自社ソリューション開発に合わせて設定している
・「コスト」がすでに顧客予算に組み込まれている
勝算を高める活動をすべし
RFIやRFPを受領する前に、いかに顧客と「共同」で検討し、事前に「価値」を認めてもらうかに注力する必要があります。
やるべく活動は「一択」、顧客との「共同ワークショップ」に持ち込んでいきましょう。
「共同ワークショップ」で出すべく「アウトプット」は以下のとおりです。
■アウトプット
・A. 顧客ビジネス環境の分析(取り巻く環境)
・B. 顧客システム環境の分析
・C. 次世代システムに求められること
・D. システム化対応方針・対応方法
・E. 次世代システムアーキテクチャ想定
・F. 対応スケジュール想定
・G. 対応コスト想定
・H. 想定リスクと対応
・I. 制約条件
・J. 前提条件
・K. 要件定義の重要性
・L. appendix(分科会アウトプット抜粋)
「A. 顧客ビジネス環境の分析(取り巻く環境)」が一番重要です。
もはやこれは「コンサルティング」です。
顧客によっては、システム改善が解決策と思っていても、実は、業務のやり方次第で解消できるものがあったりするので、「ビジネス課題」を明確化する必要があります。
「ビジネス課題」と並行して考えた「システム課題」を掛け合わせることで、「解決策」に落とし込むという段取りを踏んでいくわけですが、これを顧客との「共同ワークショップ」にて、余裕を持って、「RFI/RFP」出状の「数ヶ月前」から実行していくということが「勝算」を高める活動となります。
日頃からコンタクトを欠かさないことが重要
あなたの敵は「競合他社」です。
あなたが顧客に会っていない時間帯、競合他社は「ソリューション紹介」や「接待」をしているかもしれません。
そう考えると「不安」ですよね。
でも、ビジネスの世界は「競争」です。
そのため、日頃から「コンタクト」を欠かさないことが重要です。
「何度も訪問すると迷惑なんじゃないか?」と思うかもしれませんが、そんなことはないと考えて大丈夫です。
顧客は、たくさん情報が欲しい、かつ、何かあったら助けて欲しいと思う立場です。
新製品の紹介をする、わからないことを聞くなど、なんでもも大丈夫です。
「勇気」を振り絞って、定期的にコンタクトする様にしていってください。
そうすれば、「共同ワークショップ」の実施、結果「ご発注」というありがたい機会を得られます。
日々の積み重ねが身を結ぶ、それが営業マンです。
ステップアップ後に身につく知識・スキル
顧客との「共同ワークショップ」を経て、無事「受注」に至ると、身についている知識・スキルは以下のとおりとなります。
3ヶ年で身につけた知識・スキルをベースとして、確実に強化されています。
■ステップアップ後に身につく知識・スキル
・顧客ビジネス、システム環境の調査スキル・分析スキル
・顧客要求(ニーズ)を落とし込むスキル
・制約条件(予算・納期等)を聴き、具体的な解決プラン策定スキル
・面(会社間)で調整・交渉する知識
・社内外のファシリテーションスキル
・提案書作成スキル
・エスカレーションスキル
・経営を動かすスキル
提案以外の営業職の業務内容
営業は「提案」がメインだという見解もあろうかと思いますが、受注させて頂いた案件を「高品質」で、かつお約束の「期日」までのシステム開発を支える動きもしないといけません。
主役はシステムエンジニアですが、営業は、各種会議体に参加し、いち早くリスクをキャッチし、社内外の調整を行う役割となります。
【営業の動き】
・社内週次報告会に参加(テーマ:進捗・課題)
・客先週次報告会に参加(テーマ:進捗・課題)
・上位マネジメント報告会に参加(テーマ:品質・コスト・進捗・課題)
・品質アセスメントレビュー(テーマ:品質)
・プロジェクトマネジメントレビュー(テーマ:プロジェクトに関わる全般)
・派生案件への提案活動
・体制強化(要員調整)
・見積関連手続き(審査・経営会議)
・要件・コスト・スケジュール調整
・現行システム改修・運用保守案件の提案・デリバリ
プロジェクトによっては、前工程の「検討不足」や「作業量・体制」そのものの「過小見積り」があったりしますが、その場合は、コストとスケジュールに影響が出てくるので、営業としては稼動が高くなってくると抑えて貰えばと思います。
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こちらの記事もあわせてどうぞ。
【SIer】キャリアを振り返る〜システムエンジニア編-有料ブログ・WordPressを始めるにはもってこいのスキル〜
心に刺さるメッセージ
ステップアップ期間中、業務の難易度は高まる一方、一人でできることが少なくなり、落ち込む時があります。
その時は、「山本五十六」さんのお言葉を信じて、関係者と突き進んでいきましょう!
やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、 ほめてやらねば、人は動かじ。
話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。
やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。
まとめ
営業3ヶ年の「基礎」の上に、将来ずっと使い続けられる知識・スキルがのっかってきます。
SIerの営業は、「コンサルティング」も「システム開発」も両方を備えられる職業です。
是非とも、「勝算」を高め、顧客へ「貢献」できる人材になっていきましょう!
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